絶対音感の男
木山裕策は絶対音感の持ち主です。
それを初めて聞いたのはいつだったか?
当時はまだそれほど聞き馴染みのない言葉で(→ただの無知?)「ふ〜ん、それで歌がうまいのかぁ〜」と思っていましたw
しばらくすると、当時人気ドラマだった『古畑任三郎』で「絶対音感殺人事件」というエピソードが放映されました。
このエピソードは、絶対音感の持ち主である指揮者・黒井川(市村正親)がある雨の夜、愛人のビオラ奏者から別れ話を切り出され、逆上して彼女を殺害。事故死に見せかけようと偽装工作をする際、熱帯魚の水槽の電源を抜いたことがきっかけとなり、古畑に真相を見破られてしまう、という話(だったと思う、遠い記憶なので。。。)
では、彼はなぜ水槽の電源を抜いたのか?
絶対音感の持ち主である彼は、雨音や机を叩く音など、街中に溢れる音のすべてが音程を伴って聴こえてしまうそうで、殺害時に彼女の部屋にあった水槽の酸素が出る音が、外の雨の音と重なり形成される不協和音に耐えられず、つい水槽の電源を抜いてしまった…という種明かしでした。
これを観た私はさっそく木山くんに「絶対音感って大変なんだねー」と問いかけましたが、「いや、あそこまでのは特別だよ。日常の音は色々混ざった音だから、俺の場合は意識しないかぎり音程は伴なわない。楽器の音なら一発でどの音かわかるけどね」とのことでした。
またしばらくすると、"着メロ"が流行りだし、着メロの製作現場ではほとんどの曲を耳コピで作っているということが話題になりました。
「木山ならできるね。転職すれば?」と私。
「ハハハ、そうすっか?」と彼。
そんな彼が、いまや作る方ではなく出す方で、着うたダウンロード2万件以上を達成しているのですから、世の中というのはなにが起こるか、わからない。
だから、面白い(笑)